聖母月によせて
カトリック唐津教会 主任司祭 江夏國彦
聖母月を迎えました。命を精一杯生きているものは喜びが満ち溢れています。美しい季節、五月が聖母マリアに捧げられた月とされたことはふさわしいことです。マリアは教会の母として、私たちの信仰の歩みのかたわらにいて、見守り、助け励ましてくれます。聖マリアの取次ぎを願って祈る私たちは、どれほど多くの恵みを神からいただいたことでしょう。神の創造の業の大いなる協力者なのです。命を育む業に参与することは美しく、尊い業です。その業にすべての人が参与するように招かれています。
ある女性が、初めて母になった時の喜びを川柳に託して次のように詠みました。
「私でも ママになれたよ ありがとう」
ところで母親にちなんでもう一つ紹介しましょう。やはり読者の想像を豊かにさせてくれます。「日本一短い母への手紙」という本の中に載ったものです。
「あと十分で着きます。手紙より先に着くと思います。あとで読んで笑って下さい。」
教会の母であるマリアの子、イエス・キリストも復活した後、多くの弟子たちに現れ、天の父のもとに帰る時が来たとき、別れに先立って、その母と弟子たちを慰めるためにご自身の霊、聖霊を遣わすことを約束されました。それは一時的な慰めではなく、永遠に続く、しかもこの世のあらゆる不条理の根本的解決策を与える真理の霊でした。このイエスのはからいは、何物にもかえがたい弟子たちへの愛に満ちた心配りだったのです。その同じ霊は今もキリストの弟子となった私たちの上にも豊かに注がれているのです。
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